2017年8月11日金曜日

死亡診断書


兼職の市役所では戸籍事務をやらせていただいています。戸籍といえば人の一生の記録簿です。出生、婚姻、縁組・・・そして死亡。
婚姻や縁組は人によって有り無しはありますが、最初と最後の「出生」と「死亡」はどなたでも記録されます。
この記録は届け出によってされますが、「死亡届」は葬家はおおかた身内の死に接し動揺していますからほぼ葬儀屋さんの指示のもと氏名や本籍など記入し、市役所への届出はお任せしてしまっているのがほとんどでしょう。
「死亡届」には必ず医師の記入した「死亡診断書(死体検案書)」が一緒になっています。あまり注意深くご覧になること無いとおもいますが、いろんな情報が記載されています。
死亡日時、死亡場所、死因、その他特記事項などです。この特記事項には死因などで特に気になった事柄があった場合に医師が記入します。
戸籍の事務担当は死亡届と死亡診断書を突合し誤りがないか審査します。
「死因」は人口動態にも記録しますので重要な記載事項ですが、千葉県の統計では人口に対する全死因の一番目が「悪性新生物」いわゆる「癌」です。二位「心疾患」三位「肺炎」四位「脳血管疾患」と続き五位が「老衰」となっています。
不謹慎ではありますが、死亡診断書中の死因で「老衰」とあるとなんだかほっとしてしまいます。
そして、最近目の当たりにした死亡診断書の「特記事項」の記載で目を奪われた記録があります。
それはたった一行ですが。「ご自宅で安らかにお亡くなりになりました。」と書かれてありました。
穏やかな最期のお姿が目に浮かぶようなきがして、じっと見入ってしまいました。